辻井いつ子さんの講演を聞きました

辻井いつ子さんの講演を聞く機会がありました。辻井いつ子さんは,2009年に第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人初の優勝を果たした全盲のピアニスト辻井伸行さんのお母さんです。
演題は「明るく,楽しく,あきらめない」でした。
これは,伸行さんが生後まもなく全盲とわかり,絶望と不安のなか,子育てを手探りではじめた中から生まれたモットーだそうです。
生後8か月で,伸行さんの音楽の才能を見つけ,プロのピアニストへと二人三脚で歩んだその軌跡をお話しされました。
その話の中で心に残ったことをいくつか紹介します。
「できることは何でもする。常識や今までの慣例でだめだろうと思ったことでも,そこであきらめれば可能性は0パーセントになってしまう。だめで元々,思い切ってやれば1パーセントでも可能性が生まれる。」
「先のことはあまり考えない。今日一日がんばろう。そして明日になれば,またその日一日がんばろう。その一日一日の積み重ね。」「子育ては普通にする。」
辻井いつ子さんは,元フリーのアナウンサーをされていたこともあって,とてもいい声で,直接心に響くような,飾らない優しい話しぶりでした。
今,子育てに悩む親が集まって意見交換をするサイト「辻井いつ子の子育て広場」を開設されているそうです。また,本も執筆されています。「今日の風,なに色?」「のぶカンタービレ!」「親ばか力」「辻井伸行 軌跡の音色」等です。